さて、親との関係で、何が言いたかったかというと、幼児の私は、幼児の視点でしか物事を捉えられなかったということです。
母に「妹と同じくらい、あなたを愛している」と言って、抱っこしてもらえれば、それですんだのです。
でも、母にしてみれば、上の子と下の子を同じくらい愛しているのはたぶん、当たり前だったのです。
そんなことを私にわざわざ言うべきこととは思ってもいなかったでしょう。
「名古屋に行かない」「一人で家にいる」という5歳児の無茶な要求を言葉通りに受け取り、近所の人に頼み込んで、そのとおりにしてくれたのは、「母の愛」以外何物でもないともいえるのです。
大人の私は、今、大人の視点があるので、母が私を置いていったことは、母の愛とわかります。
でも、幼児の私は未熟すぎて、ものごとの全体を捉えることはできないのです。
「妹のほうが私よりかわいい」「私は妹ほど愛されていない」ということは「大いなる誤解」なのですが、その誤解を解かぬまま、大人になってしまうんですね。
つまり、私には以下のような世界観があったのです。
「結局、私の大事な人(両親)は、私より別の女(妹)がかわいいんだ」「私はいずれ愛する人に置いていかれ(捨てられ)孤独になる」
この幼児期に作られた「世界観」が、引き寄せの法則となって、大人になった私の「夫の浮気」を引き寄せてしまっているとしたら??
そして、「浮気」で「許せない!」「信じられない」と大騒ぎしてしまうのは、この過去の子供時代の傷がうずいているのだとしたら?
もしも、親に「お前は生きてるだけでいい」と愛され、かわいがられた記憶だけで育っていたとしたら、夫の浮気を引き寄せなかったかもしれないと思うのです。
そして、浮気されても「まあ、そういうこともあるよね。でも私が好きでしょ? 許してあげる」で、終わるのではないでしょうか。
心理学を学び、こういった「幼児の誤解」が私の人生に大きな影響を与えていることを知った私は、子供時代の悲しい出来事を思い出すたびに、ひとつずつ大人の視点で誤解を解いていきました。
今は両親の愛に心から感謝してますし、両親が大好きになりました。
そして、パートナーに浮気されたり、レスされたり、たとえ別れを告げられたとしても、それは自分の価値とは何も関係がないと、心から思えるようになりました。